TENTO代表・竹林暁が「Scratch Day 2025 in UTokyo」に登壇 ― 生成AIとプログラミングの未来を語る

2025年8月8日に東京大学情報学環で開催された「Scratch Day 2025 in UTokyo」のパネルディスカッションに、TENTOの代表取締役社長・竹林暁が登壇しました。彼は生成AIとScratchユーザの関係に注目して自らの経験と研究を交えながら、生成AI時代における学び方や「プログラミングする意味」を問い直し、参加者とともに「夢中になれること=熱中すること」が学びの核心であるという結論へと導きました。


1. 竹林暁が語った生成AI時代の学び

生成AIをツールとして活用

一般のテキストプログラミングにおいては、すでに生成AIの使用が当たり前になっています。そこでは、従来通りの、構文を覚えるタイプのプログラミング学習というものがほぼ意味のないものになっています。

プログラミング=創造的思考

いっぽうでScratchではまだ生成AIのツールが出ておらず、生成AIを利用する段階にはありませんが、今日の発表にもあったように生成AIのツールが今後登場し、Scratchユーザの今後の生成AIとの関わりがどうなるか興味を持っています。

学び方のパラダイムシフト

生成AIとの関わりは、それぞれの人がどのような目的でプログラミングを書いているかによって変わります。プログラミングを書く目的が、なにかゲームだったりアプリだったりの成果物を作るのが目的であれば、生成AIをできる限り使うのが正解でしょう。そのほうが端的に早いからです。
しかし、プログラミングを書く目的が、プログラミングそのものの楽しさであるならば、生成AIと適度の距離を置くことが重要になります。


2. パネルのハイライト

パネリスト主な経歴・業績
大塚あみChatGPTでの100日チャレンジを実践し、国際学会で受賞。著書『#100日チャレンジ』はAmazonプログラミングカテゴリ1位。
秋穂 正斗Scratch歴8年。Scratchでゼロからニューラルネットワークや3Dエンジンを実装し、NICT主催のSecHack365に採択。
石原 淳也CoderDojo日本版立ち上げに関わり、Scratch拡張機能「ML2Scratch」「PoseNet2Scratch」を開発。著書も多数出版。

竹林氏は、これらの多様なバックグラウンドを持つパネリストと共に、AIとプログラミング教育の未来を来場した参加者も巻き込み議論しました。


3. 「夢中になれること=熱中すること」― 教育の新たな指針

竹林氏はパネル終了時に次のように語りました。

会場に来られた人たちの多くが、プログラミングそのものの楽しさを重視していることから、今後もScratch自体のプログラミング体験そのものはあまり変わらないように、生成AIをちょっとしたスパイスくらいに使っていくのがScratchにとっては良いことなのではないかと考えました。そしてこれはScratch自体にとってもとても喜ばしいことだと思います。

学びは『知識を詰め込む』よりも、『何かに没頭する』ことで価値が生まれます。AIはその没頭を助けるツールになるといいなと考えています。

この発言は、多くの参加者から共感と拍手を得ました。特に子ども向けプログラミングワークショップを実施している東京大学情報学環特任研究員の倉本大資氏とも意見が合致し、今後のカリキュラム設計への示唆が生まれました。


4. 今後の展望

竹林暁氏は次のように語っています。

TENTOの新プロジェクト

「生成AIをコーチに見立てたオンライン学習プラットフォームを開発中(一部提供中)です。今後、あらゆる年齢層に対しても、誰もが自分のペースで創作できる環境を目指します。」

共同事業・連携

「今回登壇したパネリストたちと今後も連携をとって、特に子どもたちが安全かつ創造的にAIを使えるような指針を確立したいです。」


5. まとめ

「Scratch Day 2025 in UTokyo」は、生成AIとプログラミング教育の交差点で新しいアイデアが生まれた場でした。TENTO代表・竹林暁氏は、パネルディスカッションを通じて「夢中になれること=熱中すること」というメッセージを強調し、次世代の教育に向けた具体的なビジョンを示しました。

AIとプログラミングが共存する未来において、学びはより自由で創造的になる―その一歩を踏み出した今年のScratch Day。今後も竹林氏を筆頭に、参加者全員が新たな可能性を探求していくことが期待されます。


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