Minecraft Education 2015 レポート②「ゲームと教育」がテーマのカンファレンスレポート
ブログ管理人の神谷です!
今回のブログは、TENTOで阿波踊りを踊らせたらナンバーワン!、谷岡先生の執筆です。
いやぁ、長時間にわたるカンファレンスでしたが、内容を簡潔にまとめてくれました!最後のトークセッションは、あまりにも疲れてウトウト状態だったのに・・・・
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ジャンボ!こんにちは。TENTO講師の谷岡です。
神谷さんがレポートしてくれた「妹尾堅一郎先生の基調講演」以外にもMCEdu2015のカンファレンスでは、興味深い話題がたくさんありましたので、ご紹介したいと思います。
1. 基調講演
妹尾 堅一郎(NPO 法人産学連携推進機構理事長)
内容はとても興味深く人物的な魅力も感じられました。ゲームと遊び、「人在」「人材」「人財」「人罪」「人済」、ゲームメソッド、昔あそびの復権といったオトナの視点からの議論でした。さすがです。
藤本 徹(東京大学助教)
ゲームをいかした教育の事例を紹介してくれた。ゲームをいかした教育、ゲームでギター、ゲームで老人の体力向上、といった参考事例がたくさんありました。なお、妹尾先生とは師弟関係のようです。
中島 聡(米国法人 Veemob.Inc. CEO / 株式会社 ZEPPELIN CTO)
シアトルにいる中島さんとZEPPELINの鳥越さんとのWeb会議形式でトークが進められました。
優秀なソフトウェアエンジニアになるには子供のうちになにをすればよいか?という視点のトークであった。中島さん自身は、小学校では算数と理科ばかりやっていて、国語や社会の時間も、四色問題を解いてたり、将来は科学者になりたいと思ってたそうです。
計算問題は嫌いだけど、応用問題が好きで、理科は実験が好きで、数学受験の問題を解いてたり、学研の実験セットが好きでたまらない小学校時代だったそうです。高校でプログラムを書き始め、アスキーのバイト時代にCADソフトを作り、後にMicrosoftで開発責任者にまでなりました。
とにかく夢中になれる人間が優秀なプログラマーになれるということです。確かに、なにごとにおいても、夢中になれる能力が一番重要ですね。
2. ライトニングトーク
筧 捷彦(早稲田大学教授)
国際情報オリンピック、ACM-ICPC、国際情報オリンピック(大学対抗)を紹介していただきました。以前から気になっていたので興味深かったです。TENTOなどのプログラミング教室の出身者が、今後はこういった大会にどんどん出るようになるといいですね。
原田 英典(日本マイクロソフト株式会社パブリックセンター統括本部文教本部)
教育関連のデバイスやソフトにも力を入れているそうです。後半は、Windows10、マイクラパソコン版は1000円のキャンペーン、HoloLensなどの商品紹介でした。今後はゲーム、コンピュータを教育と結びつけたとき、マイクロソフトの存在は無視できませんね。
坂本 一憲(国立情報学研究所助教)
まねっこロボットのご紹介、内発的動機付けのためには、報酬を与えないほうがよいといった研究事例、ロボットを追加すると教育効果があるが、棒人間か人形かは関係ないといった、おもしろい知見をご紹介いただきました。
上野 朝大(株式会社 CA Tech Kids 代表取締役社長)
ITスキルを身につけて、自分の力で勝負できる人材を教育したいとのこと。最近は、マインクラフトを活用しているそうです。スクラッチからJavaスクリプトはダメだけど、マイクラのコンピュータクラフトはやるそうです。
やはり、ビジュアル言語とスクリプト言語の谷は深いらしいですね。また、子どもが生まれたらスクラッチをやらせたいそうです。印象的ですね。
松田 孝(多摩市立愛和小学校校長)
愛和小学校の取り組みを紹介していただきました。環境を整えただけでは利用されないとか、学校の成績だけでは測れない能力が垣間見えるとか、教育の現場ならではのご報告をしていただきました。
鷲崎 弘宜(早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所所長)
情報オリンピックはもとより、問題解決型コンテスト、人工知能対戦ゲームコンテスト、ACM-ICPC、サムライコーディングといったゲームコンテストなど、さまざまなイベントが開催されるのは、プログラミング教育を活発にするためにも重要だと思う。野球やサッカーもそうだが、目標があると燃える。(青春?)
堀井 清毅(西町インターナショナルスクール / スーパーサイエンスキッズ・アカデミー校長)
スウェーデンの事例紹介による、スウェーデンの夏は昼が長く、そのせいかテレビよりもゲームがさかんだそうです。西町インターナショナルスクールや森林えほんプロジェクトのゲームを教育に活用している事例も紹介していただきました。ハワイでプレゼンというところが印象深い…
3. トークセッション
登壇者
堀井先生、神谷さん、竹林さん、齋藤さん、ぬどんさん
マイクラは世に出てきてから5年くらい。シンプルだけどリアリティがあり、シンプルだけど制約がないのが特徴。やめようと思ったときにやめられることが大事といった意見がありました。一見すると雑談のような議論ですが、マインクラフトを共通の話題として、普段真剣に話し合うことのないメンバーが、忌憚のない意見を出し合っていて、なかなか味わい深かったと思います。
◇総評
講演の内容は、大きく分けると、「教育」「ゲーム」「プログラミング」に分けられるが、それぞれの組み合わせである「教育×ゲーム」「ゲーム×プログラミング」「プログラミング×教育」の視点で、それぞれの立場や実践例から実例を交えて説明されており、非常にわかりやすく、ためになりました。
ただし、それぞれを組み合わせた領域においての取り組みは、まだまだ始まったばかりです。また、産学連携が要になる領域でもあるため、今後も定期的にこのような場を設けることは大きな意義があると思います。
内容の濃い講演会でした。新しい知見や発見が得られる内容であり、もっとたくさんの人に聞いてもらいたいと思いました。マスメディアでも取り上げられていますので、是非そちらもご参照ください。
◇マスメディア
カンファレンス(基調講演、ライトニングトーク、トークセッション)が取り上げられたマスコミの一覧です。
- ゲームが子供の“就職力”を育てる?早大でマインクラフトのワークショップ
- プログラミング習得だけではない、人気ゲーム「マイクラ」の教育効果を考える
- 『マインクラフト』の教育効果に専門家も驚嘆! 「Minecraft × Education 2015 〜こどもとおとなのためのMinecraft〜」レポート!
- 教育現場での「Minecraft」活用事例が紹介された「Minecraft × Education 2015」トークセッションの模様をレポート
- ゲームは今後,学校のカリキュラムを改革する存在に? 「Minecraft × Education 2015」の基調講演「ゲームが変える未来の教育」をレポート
- “Minecraft × Education 2015 〜こどもとおとなのためのMinecraft〜”開催! 『Minecraft(マインクラフト)』を使った教育の可能性を追究
ここまで
それでは、クワヘリ アサンテ!