TENTO AI活用ポリシー
TENTOは、2011年の創立以来、子どもたちがテクノロジーと向き合い、自分の力で考え、つくり、学ぶための場を提供してきました。
いま、AIは教育にとって大きな転換点です。かつて電卓が、パソコンが、インターネットがそうであったように、AIは学びのあり方そのものを変えうる技術です。
この文書は、TENTOがAIとどう向き合い、教室でどう扱い、生徒と保護者にどのような責任を果たすかを示すものです。生徒のみなさん、保護者の方々、そしてTENTOに関わるすべての方に向けて公開します。
1. 教育哲学としてのAI観
手で計算したことのない人には、電卓の間違いは見えません。
これはTENTOが15年間、プログラミング教育を通じて確かめてきたことです。道具を使いこなすためには、道具なしで考えた経験が要る。AIについても同じことが言えます。
AIは、正しい答えを速く出す道具ではありません。使う人が「何を問うか」「出力をどう評価するか」を判断できてはじめて、意味のある道具になります。
TENTOが育てたいのは、認知的な負荷をどこにかけるかを自分で選択できる力です。すべてを自力でやる必要はない。しかし、どこを自分の頭で引き受け、どこを道具に委ねるかを判断する力は、自分で考えた経験からしか生まれません。
「何を学ぶかではなく、どう学ぶか」。TENTOの寺子屋方式——自分で考え、試し、失敗し、理解する過程を大切にする学び——は、AI時代においてこそ、その意味を増していると考えています。
2. TENTOにおけるAI活用
TENTOは、AIについて語るだけの学校ではありません。私たち自身が、日々の業務の中で生成AIを積極的に活用しています。
TENTOがAIを活用している主な領域は、以下の通りです。
教育コンテンツの開発:教材の設計、授業プログラムの構築、学習素材の作成において、生成AIを活用しています。
事業運営:情報発信のためのコンテンツ制作、ブランド戦略の検討、業務ツールの開発など、組織運営の多くの場面でAIを日常的に使用しています。
調査・研究:AI技術の教育応用に関する調査、新しい授業手法の試行と検証にAIを役立てています。
自ら使い続けることで、AIの可能性と限界の両方を実感として把握しています。この実感が、次の章で述べる教室でのAI活用方針の土台になっています。
3. 教室でのAI
教える側のAI活用
TENTOの講師は、教材開発や授業準備にAIを活用しています。AIは講師を代替するものではなく、講師の力を拡張する道具です。AIの活用によって生まれた時間は、生徒一人ひとりとの対話や個別の指導に充てます。
生徒がAIに触れる場面
TENTOは、プログラミングとコンピュータサイエンスを学ぶ場です。AIは、その学びの対象の一つであると同時に、学びを支援する道具でもあります。
生徒がAIに触れる際には、段階的な設計を行います。
まず、AIとは何かを理解する。次に、制限のある環境で実際に使ってみる。そして、自分の判断で活用できるようになる。この順序を大切にしています。
「AIに任せて終わり」にはしません。AIの出力を評価し、修正し、自分で判断する——その過程を授業の中に必ず組み込みます。年齢や習熟度に応じて、対応の幅を持たせています。
4. 子どものデータ保護とプライバシー
TENTOは、未成年の生徒をお預かりする教育事業者です。生徒のデータの取り扱いには、特に慎重な姿勢で臨みます。
TENTOが取り扱う情報
TENTOは、生徒の氏名等の個人情報に加え、学習記録や授業中に制作した作品を取り扱います。また、授業品質の向上を目的として、授業の録画、文字起こし、および生成AIを活用した授業内容の分析を実施しています。これらの取り組みについては、入会時に保護者の方から同意をいただいています。
外部AIサービスの利用方針
教室でAIサービスを使用する際には、生徒の個人情報や作品が外部に送信される範囲を限定します。授業の録画・文字起こしデータの分析には、外部サービスへのデータ送信を伴わないローカル環境でのAI処理を活用し、情報の外部流出リスクを低減しています。
法令の遵守と保護者への説明
未成年のデータ取り扱いに関する法令およびガイドラインを遵守します。データの取り扱いに変更が生じる場合は、保護者の方に事前に説明し、必要に応じて改めて同意を取得します。
5. 知的財産権と創造性の尊重
生徒の作品の権利
生徒がTENTOの授業の中で制作したプログラムや作品の権利は、生徒本人に帰属します。
AIを活用した作品について
AIを活用して制作した作品の取り扱いは、現在の著作権法の考え方や社会的議論の動向を踏まえて判断します。生徒がAIを道具として使い、自らの創意工夫を加えて制作した作品については、その創造性を尊重します。
AI生成と人の手による制作の区別
TENTOが発信するコンテンツについて、AIによる生成と人の手による制作の区別を明示することは、透明性の観点から重要な課題であると認識しています。現時点では具体的な運用基準の策定には至っていませんが、今後の検討事項として取り組んでいきます。
第三者の権利の尊重
授業で使用する素材や、AIの活用にあたっては、第三者の著作権・知的財産権を尊重し、関連する法令やガイドラインを遵守します。
6. 透明性と対話
生徒に対して
TENTOは、AIを使っている場面を隠しません。授業の中でAIがどのような役割を果たしているかを、生徒の年齢に応じた言葉で説明します。AIの仕組みを理解することは、TENTOの学びの一部です。
保護者に対して
AIの導入状況や活用方針について、保護者の方に定期的に情報を共有します。AIに関するご質問やご懸念がある場合は、いつでもお問い合わせください。
社会に対して
本ポリシーの公開を通じて、子ども向け教育事業者としてのAIへの姿勢を社会に示します。
7. 安全な利用環境の確保
TENTOは、生徒が安心してAIに触れられる環境を整備します。
教室で使用するAIサービスについては、不適切なコンテンツの生成を防ぐための対策を講じます。生徒が利用するチャット機能にはAIによる支援機能を組み込んでいますが、これらのやりとりは講師やスタッフが確認できるチャンネル上で行われます。
生徒の安全を最優先としながら、AIに触れる経験そのものを過度に制限することなく、学びの機会として活かすバランスを追求します。
8. 運用体制と見直し
責任体制
本ポリシーの運用に関する最終的な責任は、TENTO代表 竹林暁が負います。
相談窓口
AIの活用に関するご質問やご意見は、TENTOの通常のお問い合わせ窓口にてお受けしています。
継続的な見直し
AI技術は急速に進展しており、関連する法令や社会の考え方も変化し続けています。TENTOは、AI技術や教育分野の動向を継続的に調査・研究し、本ポリシーおよび教室での運用を定期的に見直します。
講師・スタッフに対しては、AIリテラシーに関する継続的な学習の機会を設けます。
本ポリシーは2026年4月1日に策定されました。最終更新:2026年4月1日
株式会社TENTO